2024/05/19
防災・危機管理ニュース
防衛省統合幕僚監部は20~24日、北海道から東北の太平洋沖にある日本海溝・千島海溝を震源とする巨大地震を想定した「自衛隊統合防災演習」を実施する。防災演習で日本・千島海溝地震を想定するのは初。部隊運用や寒さ対策などの課題を検証し、最大19.9万人の被害が予測される巨大地震に備える。
来年3月発足予定の「統合作戦司令部」も設置済みという設定で実施。同司令部は陸海空各自衛隊を一元的に指揮する組織で、演習を通じ、発足に向けた課題の有無を検証する。自衛隊員約1万2千人が参加するほか、在日米軍やオーストラリア軍、北海道庁なども加わって連携手順を確認する。
今回は、冬季の北海道・十勝沖でマグニチュード9クラスの地震が発生し、最大震度7の揺れと大津波で道東部を中心に広範囲が被災した―との想定で、図上で行う。被害は政府想定の一つ「千島海溝モデル」を基に設定。同モデルは死者は最大10万人とし、30メートル級の津波で8万棟超が全壊、低体温症など寒さによる被害も予想している。
大地震が20日朝に起きたと仮定。余震発生などのシナリオがあるが、隊員は一切知らされず、刻々と変化する状況に対応しながら部隊を指揮する。厳しい寒さを踏まえた迅速な人命救助や部隊展開、津波や積雪で孤立した地域への対応などが課題となるとみられ、自衛隊は結果を分析し、現行の地震対処計画に反映させる。
自衛隊幹部は「東日本大震災では、2008年に行った演習の経験などが生かされた。演習で事前に心構えや対応を共有しておくことは、実際の地震での被害軽減につながる」と話している。
(ニュース提供元:時事通信社)
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